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日記

2013年

 

2月13日

中国から汚染物質がやってくる、ということで大騒ぎになっている。

けど、アメリカ西海岸の人たちは、日本からやってきた放射性物質に困っている。

 

中国の大気汚染の原因の一つに森林伐採があるだろう。

日本は、自国の74%が森林でおおわれている。

が、中国と共に世界1,2を争う熱帯雨林の輸入国である。

つまり、自国の森林を守り、他国の森林を伐採しているわけだ。

 

このあたりを考えて、「中国」、いや、「世界」に対するべきだ。

すくなくとも、日本が声高に中国を詰っても、むなしいだけだ。

「お前が中国のこと言えるかよ」と嘲笑されるだけ。

 

他国の汚点を叩いて喜ぶのは簡単だ。

反対に、自国の、自分のいけないところを見るのは難しい。

 

例えば、今、僕のPCの周りは書類で埋もれている。

中国や日本の環境汚染の前に、僕の机が片付いているべきだとは思わないか?

というわけで、今から片付けようと思うのだけど、

そろそろ仕事に出かける時間だなあ。

 

2月9日

忙しい。

忙しいのは演奏よりも事務的なこと。

4月のつの笛集団定期は僕がインスペクター。

というわけで、今が一番忙しい。

 

今年は、ワーグナーイヤーだし、日本を代表するホルンアンサンブル、ということで

それなりの内容と演奏をと思っている。

 

それにしても、忙しい時に限って

迷惑メールが激しい。

今日は、21時の時点で50件を超えていた。

今数えたら、おそらく70は超えるだろう。

何とかならないものか。

 

もう、メールという通信手段は時代に合っていないのではないだろうか。

 

新しい通信手段が続々と誕生しているが、

かつての「VHSとベータ」のように何が将来残るのかさっぱりわからない。

 

今のところはフェイスブックがかなりマシな気がする。

個人ごとのやり取りが一目瞭然で、

割合直接送られた分のメッセージの見落としが少ない。

 

けど、結局、どんなに技術が進歩しても、

それはあくまでも助けてくれるツールであって

あくまでも解決は自分自身だ。

 

2月5日

新国立劇場のタンホイザー。

ワーグナーの生誕200年ということで、今年はワーグナーイヤー。

 

タンホイザーで、僕が知っていたのは

「序曲」「ビーナスベルク」「1幕最後のバンダ(オフステージ)ホルン」「巡礼に出る」であった。

正直、今回初めてタンホイザーに向き合ったといってよい。

 

で、話の筋が衝撃だった!

 

舞台は中世のドイツ、チューリンゲン侯国。

キリスト教が絶大な力を持っている時代。

 

<1幕>

禁断の地下世界「ヴィーナスベルク」に足を踏み入れた主人公タンホイザーは

異教の女神ヴィーナスと快楽の限りを味わう。

だが、ヴィーナスに従って快楽を得ることにも飽きて外に出たくなる。

 

ヴィーナスの制止を振り切って外に出たタンホイザーは、

キリスト教が禁じた行為を貪ったことを後悔し、聖母マリアの祠に祈りをささげる。

 

そこに、かつての仲間だった「歌う騎士」たちがやってくる。

タンホイザーは元々チューリンゲンの歌う騎士の1人。

大胆な歌で人々を熱狂させ、とりわけエリザベート姫のお気に入りだった。

タンホイザーは、騎士たちに別れを告げ、放浪の旅に出たいと言うが、

エリザベート姫がタンホイザーが去ってから「歌の祭典」に姿を見せなくなったこと、

タンホイザーが帰れば姫はきっと歌の祭典に来てくれる、との期待から騎士たちは引き留めた。

 

<2幕>

騎士たちの思惑通り、タンホイザーが帰ると、エリザベート姫が歌の祭典に姿を見せる。

姫とタンホイザーはお互いに心が惹かれあっていることを確かめ合う。

 

歌の祭典に「大胆な歌びと=タンホイザー」が戻ってきたことを知りドイツ中から観客が大勢集まった。

姫の養父であるチューリンゲンの領主は姫がタンホイザーを好きでいることを見抜き、

「歌の祭典」で優勝した者には「姫からの特別な賞」を与えると宣言する。

そして、歌の課題を「愛の本質」と決める。

 

歌の祭典は、タンホイザーを強く引き留めたヴォルフラムの歌から始まる。

ヴォルフラムは愛を「泉」に例えて、その泉の高貴さを讃え、見守る精神的な愛を歌う。

一方、タンホイザーは「泉に口をつけて飲むべきだ」と返す。

祭典は混乱が始まり、

「愛は精神的であるべきだ」との騎士たちと

「肉体をともなわない愛など信じない」とのタンホイザーの歌喧嘩になる。

そして、ついに、タンホイザーは

「本当の愛を知りたければヴィーナスベルクに行くべきだ」

と自分がヴィーナスベルクに行ったことを告白してしまう。

 

異教の女神の名を出したタンホイザーに会場は混乱し、観客は逃げ去る。

騎士たちはタンホイザーを殺そうとする。

エリザベート姫は「止めて!彼を思っていた私が一番傷ついたのだから」と一喝。

「キリストは罪のある者のために祈られた」のだから

彼にも救いの道はあるはずだと訴える。

結果、領主より「国外追放」が言い渡される一方、

「ローマ恩赦祭」への巡礼に参加し、ローマ法王へ懺悔して許しを求めるという道が示される。

 

<3幕>

郊外にある聖母マリアの祠に一心に祈りをささげるエリザベート姫。

それを見守るヴォルフラム。

 

姫の「タンホイザーの救済」への願いもむなしく、帰ってきた巡礼の集団にはタンホイザーがいなかった。

絶望した姫は、神に許しを請い、死んでしまう。

 

ヴォルフラムは姫の死をみとり、「夕星」に姫が神の元へ行けるよう願う。

 

そこにタンホイザーが帰ってくる。

ヴォルフラムは、タンホイザーがなぜ帰ってきたのか聞く。

タンホイザーは、巡礼の旅の果てにローマ法王会ったが許してもらえなかったことを語る。

しかも、それは痛烈な通告で「法王の杖に緑が芽吹くことが無いように、お前が許されることは絶対にない」と断罪されたのだ、と。

そして、チューリンゲンに帰ってくるためにここに来たのではなく、

ヴィーナスベルクを探すためにここに来たのだと語る。

 

ヴォルフラムはそんなことをしたら一巻の終わりだ、と制止する。

しかし、甘い香りと共にヴィーナスからの誘惑が手を伸ばす。

「妖精たちの宴会だ」とタンホイザーはヴィーナスが近いことを知り喜ぶ。

ヴォルフラムは「悪魔の誘いだ」と苦しみながらタンホイザーを引き留める。

ヴィーナスは「不実な人、でも、私はあなたを歓迎する」とタンホイザーを引き込む。

 

「ついにヴィーナスベルクだ!」と叫ぶタンホイザー。

絶望するヴォルフラムは「エリザベート」の名を高らかに歌う。

タンホイザーもエリザベートの名を歌い、ヴィーナスは消え去ってゆく。

 

合唱がエリザベートが天使となったことを告げ、

タンホイザーは「エリザベートよ、神にとりなしをしてくれ」とつぶやき息絶える。

 

合唱が高らかに「緑が芽吹いたローマ法王の杖の到着」を告げ、タンホイザーが許されたことを告げる。

<完>

 

タンホイザーは、ろくでもないやつでした。

 

でも、ヴォルフラムが祈っていた「夕星」は、明らかに金星であり、英語名は「ヴィーナス」。

そして、「聖母マリアの祠」と「ヴィーナスベルク」はあまりに近い場所にある。

「法王の決断が、天使になる清らかなエリザベートを殺してしまった」。

「清らかなエリザベートがタンホイザー唯一の理解者」

「既存の価値観を打ち破る思想を持っていたタンホイザー」

「自分を一度は見捨てた者を許すヴィーナス」

 

と考えると、単に「タンホイザー=空気読めないバカ」「キリスト教VSヴィーナス」とも言えず、さらには、ワーグナーがキリスト教を讃えたかったなんてとても思えない。

 

むしろ、劇中何度も「キリスト」と呼称されるのを考えると、一般的に神の名をみだりに唱えないのが常識ならば、ワーグナーは相当にアヴァンギャルドだ。

たとえば、奈良の大仏殿で「大仏!大仏!」と大仏コールをやる勇気のある奴はまずいないだろう。もし、やったとしても、「仏様の名前をみだりに・・・」と怒られるはずだ。

 

ベートーヴェンを尊敬していた、というワーグナー。

これは本当だろうが、ベートーヴェンの交響曲とはまた結論を異にしている。

タンホイザーの死は「キリスト教」「ヴィーナス」という2つの異なる思想のアウフヘーベンに失敗を指しているともいえる。

 

ワーグナー、こいつは、確かにやばい人だ。

 

1月8日

あけましておめでとうございます。

 

以前、正月は人類が発明したもっとも素晴らしいシステムの1つだと思うと書いた。

だが、今年の正月は、ジルベスターコンサートという仕事の最中というのもあり

歳が明けたという雰囲気を十分に味わうことができなかった。

しかも、場所は新潟。

新潟は特に好きな街だ。でも、うーん、やっぱり僕は正月に仕事をしたくなかったんだろう。

僕は大学時代、何度も正月を焼鳥屋のバイトで過ごした。

その時に感じたことの無い違和感が、今はある。

齢をとって保守的になったのか、どうしても山形県にいたいのか、それはわからない。

ただ、大学は山形だったし、なんとなく、山形県にいる、帰ろうと思えば帰れる、という安心感はあったのかもしれない。

 

それでも、ジルベスターコンサートが終わり、

妻と一緒に、先輩同僚の部屋で新年をささやかに祝うことができたのは良かった。

先輩同僚の奥様も東響。そして、イギリス出身の方で。

そんなわけで、僕は上野駅構内でスパークリングワインを購入し持参。

欧米では、新年と共にスパークリングワインが開けられるという。

 

新潟には元日、ほとんど雪は積もってはいなかった。

山形に進むにしたがって、そして、庄内から最上へ進みにしたがって雪は深くなる。

 

新庄の実家についても、1月5日の準備でPCに向かった。

酒を飲んでも多少上の空だったかもしれない。

それでも1月1日、2日の夜を父母、妹、妻、と過ごすことができた。

外に出ず、家の中でゆっくりと過ごした。

そば、餅、刺身、鯉、正月料理、ビール、お酒。口にしたものは、まさに正月だった。

 

3日から山形を本拠地とする吹奏楽 プロウィンド023の練習。

4日も練習。

そして5日。本番。

20代の若手奏者が積極的に動いてくれて、とても盛り上がった。

素晴らしい人材がいることを知った。

これから、きっと彼らがプロウィンドの牽引役になってくれるだろう。

また、

高校の先輩バスクラリネット奏者

新庄中学校出身の先輩バストローン奏者

など僕の上の世代の層も広がり、文字通り頼れる方々も加わってくださった。

 

僕にとっては、ようやく気が抜けた感あり。

考えてみれば、プロウィンドは昨年から企画していたことなのだ。これが終わらぬ限り

僕の中で歳が明けるはずもなかったのだ。

両親も見に来てくれたし、

多くのお客様がプロウィンド023ニューイヤーコンサートを楽しんでくださった。

 

見事、明けた、といえる。

 

数日間空けた都内の我が家は、火の気も久しくとても寒かった。

風邪をひかぬよう、仕事をこなしていきたい。

 

今年の目標は、心身ともに安定感あり、かつ感動的な演奏の充実。

要は、外さず、見事な演奏をする、ということ。

当たり前のようだが、このようなことを目標に掲げられるようになったこと自体、

少しはマシになりつつあるのだろうと思う。

あらためて、昨年は、僕にとっては、とても良い年だったのだ。

 

 

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