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§3 「バルブ民族の大移動」 天動説から地動説へ

 

史上、「バルブ民族の大移動」として知られるこの出来事は急激に始まった。

19世紀初頭。ゲルマン民族の本拠地であるベルリンから攻め込んだバルブ民族は、

ウィーン、パリと主要都市を次々と陥落させ、ナチュラル帝国をほとんど支配下に置いた。

後に、分裂するが、便宜上総じて「バルブ帝国」と呼ぶ。

 

繰り返すようだが、ナチュラルホルン帝国では、

本体の長さは変えず、音は手によって変えていた。

これを「ホルン天動説」と呼ぶ。

 

それに対し、バルブ朝では、

バルブを動かし本体の長さを変えることによって音を変えるのである。

これを「ホルン地動説」と呼ぶ。

天動説 地動説  
楽器の長さは変わらない 楽器の長さが変わる
音色が変わる 音色が変わらない

 

地動説は言うまでもなく、コペルニクスの発案である。

だが、理論はナチュラルホルン全盛時代にあっては一笑に付され、

ガリレオ・ガリレイは異端裁判を受け糾弾された。

そこで、生まれた言葉が有名な「それでもバルブは回っている」である。

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 ガリレオ・ガリレイ  「それでもバルブは回っている」という名言で知られるこの科学者は、ピサの斜塔からナチュラルホルンとバルブホルンを同時に落下させ、高いところからホルンを落とすと非常に勿体ないことを証明した。

 

実際に「バルブシステム」とは、ボタンを押すことで管の長さを変えて音程を変える画期的な方法。

ナチュラルホルン帝国の天動説では「ド、ミ、ソ、♭シ」の音しか完全に鳴らなかった。

その他の音を手で塞いだりすることによって12音を出すことができたのではあったが、

明らかに「ド、ミ、ソ、♭シ」とは響きに違いがあった。

この時代、これら4つの音がいわば特権階級であり、それ以外の閉じられた音、つまり閉音との格差は広がるばかりであったという。

 

それが、地動説によって平等がもたらされる、と閉音は光明を見いだす。

そして、若きホルンテンシウスという政治家が1つの法律を制定する。

これを、「バルブ・ホルンテンシウス法」と呼ぶ。

結果としてバルブ・ホルンテンシウス法の施行からかなりの速さでバルブ朝は版図を広げた。

 

中には、ナチュラル帝国の大人物がバルブ帝国に鞍替えした、という例も見られる。

かのプントライアヌスに戯曲「ホルンソナタ」を捧げたベートーヴェンである。

ベートーヴェンは既に神格化されて久しいが、

彼の残した教典「交響曲第9番」の「3楽章」には実はバルブホルンを使用している。

この事実が、「ベートーヴェン、お前もか」というエピソードになったのはあまりにも有名である。

 

そのバルブ帝国は厳密には3期に分かれる。

バルブが1つしか付いていない「第一帝政」。2つ付いた「第二帝政」。この時代は非常に短い。

そして、3つ付いた「第三帝政」である。

この変遷も非常に興味深いのだが、事実上、ほとんどすぐに第三帝政に移行しているので、

まずは、「1840年代バルブ帝国、ナチュラル帝国を滅亡させる」、と覚えて良いだろう。

イヤヨ滅亡、と覚えよう。

 

ただし、ナチュラル帝国滅亡後もナチュラル時代に憧れる者達が後を絶たなかった。

ルソーは著書「社会契約論」において、「ナチュラルホルンへ帰れ」と説いた。

これを論拠に「ブラームス」はナチュラルホルンを崇拝した戯曲を数多く残した。

また、ベルリオーズは幻想交響曲にてハンドストップ奏法を使用するように指定した。

このように、完全にナチュラル文明が滅亡したのではなく、バルブ帝国に内包された、と考えることもできる。

 

バルブ帝国の興隆によって、久方ぶりの平和と繁栄がもたらされたように思われた。

しかし、歴史とは戦争の歴史であるように、熾烈な争いは繰り広げられる。

 

いよいよ次のセクションではアレキサンダー大王の東方遠征が始まる。

 

§4 神聖バルブ帝国とアレキサンダー大王の東方遠征へ

 

 

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